横から見ると↑こんなかんじ。高さは約12mなので、歩いていると「4階建てくらいかな。。」そんな錯覚を起こしそうですが、実はこれ3階建てなんです。絵を見ても分かるとおり、3階窓から上の壁が少し大きいですよね。これは屋上部分のパラペットが高いからなんです。その高さは1700mmもあるので、屋上へ行くと外部からは完全に遮断されています。パラペットに切り取られた空だけが広がる、都会の中の幻想的な風景。。

けど、パラペットには理由があるんです。マルクブルティエ著「同潤会アパート原景」にアパートの設計を担当された拓植芳男(元東京大学教授)の記述が次のようにあります。

『私が最初に関わったのは中之郷アパートだった。(中略)次に担当したのが青山アパートである。これについていち早くクレームをつけに来たのが近所に住む長岡外史中将である。「神聖な参宮通りに西洋の貧民長屋のようなアパートを建てると聞いた。もし窓に蒲団を干したり、オムツなどを干すようなことがあったら誠に恐れ多い。是非計画は中止してくれ」というものであった。決してそんなものではないと納得してもらうには骨を折った。そんなこともあって、それらの対応には格段の計画をした。まず、建物を道路から少し後退させ、そこに植樹帯を設けてなるべく建物を遮断した。さらに屋上のパラペットを高くして、洗濯場と物干場を設けベランダには絶対に物を干さないようにした。屋上の余地には子供の遊び場も設けた。すべて六十余年前の思い出である。』