街の数値化徹底計画

 銀座は都会、岐阜は田舎。これは私のイメージです。だけど、このイメージは一体どこから来ているのでしょう。メディアでの露出度など情報の流れを含めて、様々な事象がその街、その場のイメージを定着させている。そしてそのイメージを(=その街の特色を)活かした活動が様々な分野で行われ、今日が成り立っているのは周知の事実です。

 しかしこれは、いざモノを動かす話になったら感情論に過ぎず説得力にはほど遠い存在なのもまた事実。モノが動くとき、ひとえに数値だけが説得性を持っています。採算性と呼ばれるもの。

 ならばいっそ、徹底した数値化を行ったらどうだろう。イメージや関心度など今まで「感情論」の域を超えられなかったもの(そして実際の日常ではその街にとって重要なファクターとなってきたもの)に説得性を持たせ、ある線引きをしてやることで、その街の特色や財産を解りやすいカタチで共有したり、逆に問題点を発見したり…今まで見えなかった(あるいは都合良く無視できた)要素を明確に出来るのではないか

まず、現時点で街を数値化できるものは

 ・経済(商業で動くお金、観光で動くお金etc)
 ・ヒトの数、年齢。建物の数、敷地面積などデータ
 ・気象データ、地理的データ
 ・インフラによるモノやヒトのアクティビティ
 ・建物などの年数、大きさなど物理的スケール
 ・メディアでの露出度、情報。更にそれが実際に
  どれくらいヒトに伝わっているかという影響度

   ↓
これから数値化したい単位は、

・上記数値を複合した結果としての都会度や田舎度など対外的な
 イメージ度数から、住環境適合度など内部の人間に対する度数。

・建物や施設が街に与えてきた影響度(安心度、和み度、想い出度など。
 例えば、雨の日もヒトが使える施設があるか、公園の利用度はどうか。)
 その場で何がどんなイメージを作っているかを明確にする。
 また、住民、外来者それぞれの立場から測ることで、対外的な存在感と
 中にいる人間とのイメージ差を測る。

・ハプニング度。火事、ヒトが転ぶなどの事故や、イベントごとなど
 日常と違った事象が引き起こされる度合い。

・トホホ度。時代錯誤なもの(昔の流行物など)がどれくらい
 ほったらかしにされたままその街の風景そのものとなっているか。

・街の実年齢、イマ年齢。これからどれくらい変貌できるかによって
 年齢が変わる。どんな変貌かにもよって様々に年齢が捉えられる。
 ヒトの実年齢、肌年齢、精神年齢のように。
  →健康不健康、習慣病現代病のように
 街をヒトに例えた「数値化」も可能、かも。かな?

・ヤル気度。今までの街作りの経緯や予算、実現までの経緯を振り返り
 街がきちんとメンテナンスなど手を加えられているかどうか。

・人気度。住環境以外に、ロケ地として使われる頻度などメディア露出度、
 リピート度、外来者定着度などの面で。

・建築学的指数。リノベーション指数、古い建築有効活用指数。
 外観、内観、ソフト、それぞれの観点から建物の存在感を測る。

   ↓
目的は
・再開発の際、何をどう動かすことが「街の特色を生かした」ことに
 なるのか、逆に今までのデメリットを払拭することとなるのかが解る。
 商業的な数値だけでなく、どんな街にしたいのかを複合的かつ客観的に
 見極め、街のアイデンティティをより明らかに有効活用することができる。

・建物の保存再生の必要性が、懐古主義に終わらず説得性を持たせられる

・経済性以外の、街の功労者、功労モノが見えてきて、何にどんなケアが
 必要か、またケアする価値があるのかを判断する基準となり得る。

・日常、生活といった、あくまで一般レベルでの単位を提供することで
 より多くの人間が街への関心を持ちやすくなる。みんなが単位を作ってもよし。
 (なので本当はデータベースが一番重要)

 で、一気に全部の物差しづくりは無理としても、今何か問題を持つとされる場で、必要な単位のいくつかを創り出すことは可能と思われます。例えば築地ブランドの背景にある「数値化」。築地の市場が移転することで一体何が消えるのか。経済や利便性以外の、築地の対外的内向的イメージを多角的に「数値化」することで、既存の単位における数値だけでは見えなかった(そして暗に多くの人間が少なからず感じていた)イメージ像をクリアにし、今後のメリット、デメリット、価値存在をより具体的に、かつ一般生活レベルで表せるはずなのです。