Puddle Puzzle

Vol.1 場所の行方
- 同潤会青山アパート写真画展 -

□75年の歴史を刻み、今もなお風景となり街の顔となってきたココ、同潤会青山アパートメント(以下青山アパート)は、早ければ今年中にも取り壊される予定です。

□個人的に表参道が... この青山アパートがある風景が大好きで、取り壊されるであろうと情報を得た2年ほど前から、ココに対して何かできないだろうか、と考えてきました。一方で リアルな変化は確実に起きていて、今回の会場である「ギャラリー華音留」さんも3月いっぱいで移転されます。

□この取り壊し計画の背景にはいろんな事情がとりまいています。このままではいられないほど建物が朽ちてしまった経緯、30年にわたる建て替え計画の変遷、様々な人間、それぞれの立場。片や何の権利もない一介の第三者だけど、ココが大好きな気持ちのやり場、どうしよう。こんな話をあちこちでしていたら、幸か不幸かもうひとつの青山アパートの魅力を知ることとなりました。

□それは、ココについて話してくれる人々との遭遇です。各々で「好き」の内容も違っていたり、あるいは全く逆の価値観と出会ったり。感情を湧かせコトバを生み出させる影響力もまた、ココの素敵な側面だと感じたのです。

□同時に、無力さを安易に認め黙すことに、今まで慣れ過ぎてしまっていたことに気付かされました。自分の環境が何処からか「用意」され、想いが消えゆくのは当たり前なんて寂しい惰性。街が、風景が、ヒトが、変わるってどんなことだろう。

みんなにとって、自分にとって、ココは一体何なんだろう。現実逃避的な思い出づくりやサヨナライベントではなく、ひとりひとりの中にしかない答えをちょっときちんと感じる場が欲しい。puddle(水たまり)のpuzzle(パズル)が連なっていくように。これがイベントのスタート地点でした。

□開催にあたりお世話になった多くの皆さん、ご来場下さった皆さん、本当にありがとう。全てを繋いだココ、同潤会青山アパートの過去、今、未来に伴う、それぞれの「個人的な何か」を感じられるものとなりますように。

2002.03.19 motoko tanaka , masaki ohnishi